【京華商業】労働契約法20条「非正規教員差別」をなくすための裁判を提訴しました!

(提訴記者会見の様子)

2019年7月11日、東京地方裁判所へ京華商業高校(http://www.keika-c.ed.jp/)における、非正規教員への待遇差別の問題、長時間労働・残業代不払いの問題を提訴しました。

私学業界では、非正規教員を低賃金・細切れ雇用で「使い捨て」にする状況が蔓延しています。特に、正規教員と同様の労働をしているにも関わらず、待遇差別を受けている非正規教員が多くいます。

また、労働時間管理をしない、長時間労働や残業代を払わないということも同様に広がっています。

そう言った「業界の常識」を、原告、弁護士、ユニオン、一丸となって「変えていきたい」と思い、提訴に至りました。

教員の労働環境の改善が、社会全体の教育の質の向上にも必ず繋がっていくと思います。

ぜひ、今後の動向も発信していきますので、ご注目・ご支援をお願いいたします!

 

◆裁判の概要

・「同一労働をしても雇用形態が違うと待遇が違う?」

京華商業高校で働いていた原告2名は、「有期専任」という名称の非正規雇用教員として働いていました。「有期専任」は、「専任」(正規雇用)の教員と同じく、担任や部活といった学校の基幹的業務を担っていますが、契約期間は1年更新の有期雇用です。

求人票はもちろん、働き始めてからも、専任化(正規雇用化)の期待を持たせる言動が学校側から多数ありましたが、最終的に、昨年秋、学校側は働かせるだけ働かせた上で、一方的に今年3月末での雇い止めを2名へ通知してきました。その不当な雇い止めの撤回を求める裁判は、今年5月23日に東京地裁へ提訴しました。

そして、今回は、「非正規教員への待遇差別」と残業代不払いの問題を追加で提訴することになりました。京華商業高校では、専任と全く同じ仕事をしているにも関わらず、有期専任には、住宅手当(3万円ほど)等が支払われないという待遇差別の問題がありました。専任と有期専任が、全く同じ労働内容であることは、学校側も私学教員ユニオンとの団体交渉の中で認めていました。

しかし、それではと、私たちが待遇を比較をする上で確認が必要なので、専任の就業規則や賃金規定の提出を求めると「有期専任のあなたたちとは関係がないので出さない」などと提出を拒んできました。そのため、口頭で回答を受けた住宅手当しか差異がわからず、今後裁判で資料の提出を求める中で、さらに待遇差別が確認できる可能性があります。

そして、最終的に学校側は、専任にしか支給されることのない住宅手当の支払いも拒んでくるなど、大変不誠実な対応を続けてきました。

・「タイムカードは導入しない」、「部活はボランティア活動。教員が好きでやっていること」

また、平日夕方・土日の部活等をはじめとした多種多様な業務による残業や昼休み等での休憩未取得のため、長時間労働が職場に蔓延していました。しかし、学校側はタイムカード等での労働時間の客観的な記録を全く残しておらず、そのような長時間労働に対する残業代も支払われませんでした。

団体交渉では、「タイムカードは導入しない」、「部活はボランティア活動。教員が好きでやっていること」などと、長時間労働・残業代不払いを容認するような回答を繰り返していました。それらは、現在、国も進める「教員の働き方改革」に真っ向から反するものです。

 

◆原告・代理人弁護士

今回の裁判は、原告2名と、ブラック企業被害対策弁護団(http://black-taisaku-bengodan.jp/)の弁護士6名で進めています。

原告:2名(30代・男性)

代理人弁護士:佐々木亮、明石順平、市橋耕太、伊藤安奈、川口智也、辻田航

 

◆今回の裁判の意義 「非正規差別」をなくしたい

昨年から国も進める「教員の働き方改革」が話題となっていますが、それは基本的に公立学校を対象としており、私立学校の実態はまだまだ知られていません。しかし、私立学校も公立学校に劣らず、過酷な労働環境が広がっています。

そして、私たちへ寄せられる労働相談の中で増加しているのは、立場の弱い非正規雇用教員からの雇い止め、長時間労働、残業代不払い等の相談です。今や、私立学校の非正規教員比率は約4割にも達してきています。低賃金・細切れ雇用の非正規教員へ学校の中心的業務を担わせ、都合よく使うだけ使った上で、雇い止めをし、使い捨てるという労務管理が私学業界全体で蔓延しているのです。

特に、今回提起する「非正規労働者への待遇差別」の問題については、国も「同一労働同一賃金ガイドライン」を作成したり、同一労働同一賃金を含む改正法が2020年4月1日から施行されるなどを進めています。正規雇用労働者と同一労働をしているにも関わらず、非正規雇用労働者の待遇を差別することを是正しようと動いているのです。

また、現状では、労働契約法20条において、雇用期間の定めがあることにより不合理に労働条件を相違させることが禁止されています(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/keiyaku/kaisei/dl/pamphlet07.pdf)。

例えば最近でも、日本郵政(株)や(株)メトロコマース、大阪医科薬科大学などで、正規雇用労働者へは支給されている一方で、非正規雇用労働者へ支給されていない手当や賞与を支給するよう命じる判決が出てきています。

今回の裁判は、教育業界はもちろん、社会全体でも約4割に達している非正規労働者全体の待遇改善につながるものだと考えています。

 

 

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