【#科学技術学園】「挙式で休暇を取った事を理由に雇止め?」第1回団体交渉で見えてきた「教員聖職論」

私たち「私学教員ユニオン」(総合サポートユニオン私学教員支部)は学校法人科学技術学園との第1回団体交渉を先日行いました。

https://note.com/sguion/n/n385cef4d4625

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 団体交渉は使用者側から決定権を持つ者が出席する必要がありますが、議題内容を知り決定権も持つ校長は不参加でした。次回団交への出席を強く求めましたが、「校長の参加は検討する」との回答で出席は確約されていません。

◆学校側は大きな問題だとは捉えていない「新婚旅行に行ったことが気に食わないから雇い止め」発言

 組合員は新婚旅行に行くために代休制度を利用し、生徒に影響が出ないよう授業がない期間に休みました。しかし後日、分室長から「校長がお前が新婚旅行に行くと言って休んだ事が気に食わない。腹が立つ。それが雇止め理由だ」と突然、雇い止めの通告をされました。

 この件に関して学校側は「細かい理由をたくさん言うとAさんを傷つけるから…」と配慮をしていたかのような答弁をしてきました。人生のビックイベントの一つとも言える新婚旅行に正式な休暇制度を利用して行っただけなのに、それを理由に雇い止めの通告をされる。これのどこに配慮があるのでしょうか。むしろ教員として改善点があるのなら、それを指摘してもらわないと改善のしようがありません。

 学校側は、分室長がこのような発言をしたことは事実であり発言自体おかしなことであったと認めています。しかし、これは嫌がらせ目的ではなく咄嗟に出てしまった失言であって、それを持ってして雇止めとした訳ではないと主張を変えてきました。また、この件で校長は関与していないとも主張しています。

 組合員とその家族はこの件でとても傷つき憔悴しています。しかし学校側は大きな問題だとは捉えていないことが見えてきました。私たちは謝罪、再発防止策の策定と賠償を求めましたが、謝罪と再発防止策の策定は検討するが、現時点では賠償は考えていないということでした。失言と認めているのにも関わらず、このような対応の学校に対し私たちは引き続き誠意ある対応を求めていきます。

◆防げたはずの不当労働行為

 組合員は労働組合への加入を学校へ伝えた直後に、同僚から学校を訴えることをやめるように言われました。これは労働組合での権利行使を妨害する不当労働行為とも受け取れます。
 
 そもそもなぜ同僚が組合に加入したことを知っているのかという私たちの問いに対して学校側は、組合員の勤務状況を把握するためとしています。しかし、組合員の勤務状況の把握に同僚の手助けが必要な理由もわかりませんし、正当な理由で同僚に手伝って貰ったとしてもこのような行為を行わないように注意喚起はできたはずです。

◆浮き彫りになった「教員聖職論」

 科学技術学園にはタイムカードが導入されていません。勤怠管理を適切に行うためにもタイムカードは必要不可欠なので、私たちは導入を要求しました。しかしこの要求に対して学校側は

「学校なので。そしてこれまでの流れがある。それがうちの学校のやり方」
「学校の社会がある。だからタイムカードを導入するか否かは各学校次第である」
「タイムカード導入の影響を見極めないといけない」
「教育現場に馴染むかどうかを考えていきたい。内外の状況をみて(タイムカード導入を)検討し、現段階では結論は出せない」

などと返答してきました。勤怠管理は使用者側の義務であることは学校側も認めています。しかし、現在の管理方法(出勤簿のみ)では労働時間を正確に把握できていないとも発言しています。それなのにも関わらず学校側はタイムカードの導入を拒否しているのです。

この背景にあるのが「教員聖職論」です。交渉が進んでいく中で自宅での教材作成等の時間外労働に対する未払い賃金の精算を求めました。その中で学校側は、「教員にプライベートな時間は無い」という発言をしてきました。「教員は常に『研究と修養』に励む必要があるから」という主張です。

この「教員は聖職」という価値観の下、タイムカードなどでの適切な勤怠管理が行われて来なかったのです。その結果、多くの教員が違法労働を強いられています。しかし、教員も労働者です。一人の人間です。人間らしい働き方が必要です。きちんと勤怠管理を行うことはその第一歩になります。

団体交渉の全体を通して、学校側は「教員は聖職」という価値観の下で動いているということがよく見て取れました。科学技術学園との団体交渉を通して、私学教員ユニオンではこれからも「教員も労働者だ」ということを訴えていきたいと思います。それは生徒への教育環境の改善にもつながると確信しています。

◆労働相談や共に活動するボランティアの募集

職場で労働問題を抱えている方は以下の私たちの相談窓口まで電話・メールにてご相談ください。無料対応・秘密厳守で対応しています。ユニオンの仲間と一緒に違法・不当な状況に対して声を上げてみませんか?改善事例はたくさんあります。

また、私たちは一緒に教員の労働環境や学校の教育環境を変えたいという教員や学生のボランティアを募集しています。労働相談、団体交渉、社会発信などの活動は、組合メンバーとボランティアが一緒になって進めています。ボランティアを希望される方は、以下のメールまでご連絡ください。

電話番号:03-6804-7650
(平日17~21時/日祝13~17時 水曜・土曜休み)
メール:info@sougou-u.jp

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