以下のような問題が、私学教員が抱えやすい労働問題です。

学校現場では、違法行為が蔓延しています。しかし、しっかり法律を知り、証拠を集めて仲間と権利を行使すれば、改善をすることは可能です。

私学教員ユニオンでは様々な学校と交渉し、改善や向上を勝ち取ってきました。

過去の交渉では主に以下の労働・教育問題について取り組んできました。

①非正規教員の使い捨て・差別

私立高校では、非正規教員の割合は、約4割にも及びます。低賃金や1年更新の労働条件で働く非正規教員は年々増加しています。非正規教員の典型的な問題は以下です。

雇い止め(解雇)

非正規教員は1年契約です。正規教員への登用や契約更新の期待を持たされながらも、学校側の都合で、一方的に雇い止めされることがしばしばあります。募集要項のスクリーンショットやコピー、採用面接や入職後の面談での録音(相手に伝える必要はありません)などの証拠を集めて、契約更新の期待を持たせる言動を証明していきましょう。雇い止め撤回を勝ち取れる事例もあります。

「同一労働同一賃金」

正規教員と同じく、担任や部活、校務分掌などを担っている非正規教員はたくさんいます。しかし、待遇は正規教員と異なり、給与は半分程度という学校もあります。これらの差別は、「同一労働同一賃金」に反し、同じ待遇を求めることも可能です。契約書や学内の仕事の分担表等を手元に残し、同じ仕事をしているのだから、同じ待遇にするよう求めることが可能です。

非常勤講師の「コマ給」

非常勤講師は、授業に対する給与しか払われない「コマ給」がよくあります。

非常勤講師は、授業以外にも授業準備や生徒対応、テストの作成や採点などの付随業務が膨大にありますが、それらに賃金が払われません。上記の内容は業務内容に含まれるため、労働法では働いた分は1分単位で支払わなければ違法です。労働時間記録を集めて、賃金の請求が可能です。

②ハラスメント

教員や生徒に対するハラスメントはICレコーダーや携帯で音声を録音したり(相手に伝える必要はありません)、メールやLINEでのやりとりのスクリーンショットなどの証拠を残し、謝罪・賠償・加害者の異動・再発防止などを求めることができます。

私学教員ユニオンではあらゆるハラスメントに対し強く抗議します。

 

【文理開成】諦めずユニオンの仲間と戦っての解決!

③部活顧問の強制

教員の長時間労働を生む背景の一つとして部活動への対応が指摘されていますが、多くの学校で強制的に部活の顧問を持たされています。

私たち私学教員ユニオンは、東洋大付属牛久中高と過重労働の改善に向けて、団体交渉をしていました。

その結果、東洋大付属牛久中高の教員全員が部活顧問の就任が任意となる「労働協約」を締結できました。

教員の過重労働の最大の原因である「部活動」の顧問から外れると、大幅な労働時間の削減が実現可能です。

労働組合では労働組合法に基づき、学校と対等に話し合いの場をすることができ、約束は「労働協約」として法的強制力を持ちます。また、労働組合で声を上げたことに対する報復行為は違法になります。

https://note.com/sguion/n/n376b3a00ce4f?magazine_key=mdb23e8ff6865

④長時間労働と賃金未払い

担任・部活動顧問・公務分掌など、幅広い業務を担うことで、多くの教員は長時間労働に陥っています。厚生労働省が定める「過労死ライン」(月80時間残業)を超えて働く教員も珍しくありません。

また、休憩時間が明確に定められていなかったり、昼休憩や授業のない時間にも、授業準備や生徒対応を行い、十分な休憩が取れないことも多いです。

長時間労働は、タイムカードのコピーや写真、パソコンのログ記録、メールの履歴などの労働時間の証拠を集めて、労働時間を証明することが重要です。休憩も、何時から何時まで取れていたのかなど、1分単位でのメモを毎日残しましょう。

証拠を残して、労働時間の削減や休憩の取得などを求めることが可能です。