【私学非正規教員特集】7/22発売「AERA」にて、京華学園、文理開成高校の問題が取り上げられました!②

7/22発売「AERA」にて、京華学園、文理開成高校の問題が取り上げられました。

2回に分かれており、以下では、学校名は出ていませんが、文理開成高校の問題が解説されています。

私学業界では、有期雇用、低賃金で働く非正規教員に多くのしわ寄せが来ています。

おかしいことにおかしいと声をあげたら、すぐに雇い止めです。

そのような、差別や抑圧を受けている非正規教員の実態について、よく知っていただける記事となっています。

ぜひ、ご覧ください。また、以下のような状況に悩まれている私学教員の方は、ぜひ、一緒に泣き寝入りをせずにユニオンの仲間と声をあげてみませんか?

お気軽にご相談ください。

◆AERAの記事の内容

「もう限界」…ブラック学校の非正規教員、残業は月160時間でも手取りで月17万円

https://dot.asahi.com/aera/2019071900051.html?page=1

私立高校で非正規教員の勤務の実態が問題になっている。長時間労働や残業代不払いに加え、経営者からも人格否定などを受け、精神的に追い詰められる教員もいるという。働き方改革が及ばない私立高校の現状を関係者らが語る。

*  *  *
都内の私立高校で非常勤として働く30代の男性教員は、昼間は二つの学校で教え、夜は塾の講師をしている。トリプルワークで働いても、給与は二十数万円。結婚もできず、将来が見えないと嘆く。

正規の安定した職に就けるかわからない不安の中、疲弊し、燃え尽きる教員も少なくない。

「お前なんかいらないと言われたみたいで、すごく傷つきました」

3月までの4年間、神奈川県内の私立高校で非常勤として働いていた20代の女性教員は言葉少なに語る。

女性は1コマ2500円の授業を週18コマ担当し、運動部の顧問も務めた。テストの作成・採点、学期末の成績会議にもほぼ出席した。それでも給与は手取りで月18万円ほど。どうしても専任になりたくて、思いを管理職にも伝えてきた。

だが、昨年4月ごろから管理職に、

「他の学校を探してみたら」

と言われるようになった。モチベーションが下がった。

女性が顧問をしていた運動部は5年連続全国大会に出場しているが、今年1月には副校長からこのように言われた。

「全国大会への出場は望んでいないから、頑張らなくていいよ」

自分はもう必要とされていないと感じ、辞めることに決めたという。女性は言う。

「使う時だけ安く使って、私たちは使い捨てじゃありません」

国は「教員の働き方改革」を掲げ、残業時間の上限を「月45時間、年360時間」と定めた。しかし対象は公立校の教員で、私立では長時間労働がまかり通っている。そもそも私立全体の傾向として労務管理が不十分で、タイムカードを導入している学校はほとんどない。

「長時間労働」と「残業代不払い」も蔓延している。

「限界を超えました。よく生きていられたなと思うくらいです」

千葉県の私立高校で過去3年間、非正規の常勤で働いていた20代の男性教員は明かす。

生徒と一緒に自らも成長したいと思い教員になったが、待っていたのは長時間労働と残業代不払いだった。

クラス担任と部活の顧問も務め、残業は月160時間を超えた時もあった。昼食を食べる時間すらない日も続いた。勤務時間はパソコンで管理されていたが、給与明細に残業代は記載されなかった。しかも、男性は学校の寮に寝泊まりをし、そこの監督者までさせられた。それだけ働いても、給与は手取りで月17万円程度だったという。

さらに、校長による日常的なパワハラが教員たちを苦しめた。校長は自分の気に入らないことがあると、「バカ、アホ、マヌケ」と人格を否定するような暴言を吐いた。こうして多くの教員は心身をすり減らし、2、3年で次々と辞めていった。精神的に追い詰められ、うつになった同僚もいたという。

男性は、現状を変えなければと思い、労働組合「私学教員ユニオン」(東京)に相談。今年2月から仲間の教員たちと共に学校と団体交渉を重ねている。それは、教員のためでもあり、生徒たちのためでもあると語る。

「教員が安心して働けない学校は、生徒のやる気や頑張りにも絶対に影響が出ます」

同校は本誌の取材に、こう回答した。

「誠実に対応し、解決に向けての努力をするとともに、労働諸法令の順守に努めていきたい」

私学教員ユニオン代表の佐藤学さん(32)は言う。

「教員が短期間で入れ替わることで、教育の内容や質も蓄積されず劣化する。生徒や保護者との信頼関係も構築できず、授業や部活、クラス運営を安定的に行うことが難しくなる。短期的に非正規教員を使うのではなく正規雇用を増やすべき。非正規を増やしてコスト削減しても、長期的には教育の質が劣化して生徒が集まらなくなる。教育という社会基盤に多大な悪影響を与えます」

(編集部・野村昌二)

AERA 2019年7月22日号より抜粋

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