【#東海大浦安】「定額働かせ放題の上に無期転換前日に雇い止め?」労働審判申し立て記者会見をしました!

記者会見で話す非常勤講師の組合員

12/19(月)に厚生労働省にて、東海大浦安で起きている非常勤講師の雇い止め・未払い賃金の問題に関する労働審判申し立ての報告記者会見を行いました。

会見は、当該組合員、嶋崎量弁護士(日本労働弁護団常任幹事)・市橋耕太弁護士(日本労働弁護団本部事務局次長)、私学教員ユニオン(労働組合)で行いました。

今回の記者会見の概要等は以下になります。

多くの非常勤講師の方が、東海大浦安の非常勤講師と同様の問題を抱えていると思います。私たちのユニオンには多くの非正規雇用で働く教員たちが労働環境の改善に取り組んでいます。ぜひ、一緒に声を上げてみませんか?

◆教育業界に広がる非正規教員と「使い捨て」

 現在、教育業界全体で「非正規教員」が拡大しています。公立学校では全体の約2割ほどですが、私立高校ではさらに多く、すでに約4割が非正規教員となっています。

 非正規教員は、低賃金かつ1年更新の細切れ契約の中で、「雇用の調整弁」として都合よく使い捨てられています。将来の見通しも立たない中では、目の前の生徒へ集中することもできず、教育の質の劣化にもつながっています。

 非正規教員には、①常勤講師(フルタイムで1年更新。いわゆる「契約社員」)と②非常勤講師(パートタイムで1年更新。いわゆる「パート社員」)の2パターンが一般的です。今回、労働審判を申し立てるのは、②非常勤講師の組合員です。

◆労働審判の争点は未払い賃金と雇い止めの2点

 労働審判での争点は大きく分けて2つです。1つは、授業外の付随業務に対して十分な賃金が払われないという問題です。東海大浦安に限らず、非常勤講師の多くは、担当授業のコマ数によって賃金が決まってきます。
 
 しかし、どれだけ授業準備や教材研究等に時間を費やしても、授業時間以外の追加の給料が十分に払われません。今年1月まで、非常勤講師にはタイムカードも導入されていませんでした。高い教育のクオリティや多様な付随業務を求められるにもかかわらず、「定額働かせ放題」で都合よく働かせられていました。なお、未払い賃金については、今年1月に船橋労働基準監督署が法違反を認定し是正勧告も出ていますが、未だ未払い賃金は支払われていません(非正規教員に賃金未払い 東海大浦安高に労基署勧告)。

 2つ目は、「無期転換ルール」適用前日での露骨な雇い止めです。無期転換ルールとは、同一の使用者との間で、有期労働契約が更新されて通算5年を超えたときに、労働者の申込みによって無期労働契約に転換されるルールのことです(厚労省「無期転換ルールについて」)。細切れ雇用で不安定な働き方をする非正規労働者を保護する観点から、2013年4月に施行されました。

 しかし、東海大浦安は、無期転換の権利が発生する前日での露骨な雇い止めを非常勤講師へ行ってきました。組合員は、授業以外にも定期テスト、部活動など学内における「恒常的かつ中核的業務」を行っており、必要不可欠な労働者でした。このような状況は「無期転換逃れ」と言わざるを得ず、非正規雇用の保護という上記立法趣旨とも明確に矛盾するものです。

◆東海大学では、大学の非常勤講師たちもストライキ!

 先日、東海大学の非常勤講師たちが雇い止めを不服としてストライキを行ったことが大きなニュースとなりました(東海大学の非常勤講師3人がストライキ “雇い止めは不服”)。

 附属校の東海大浦安でも、以下のように2021年度で、専任教諭(正社員)45人、特任教諭33人、非常勤講師40人となっており、学内の非正規率は62%と非常に高い状況です(学校回答)。

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「非正規割合」が62%となっています

 その一方、東海大学は、コロナ禍にもかかわらず、利益幅(経常収支差額)を2019年度の42,9億円から、20年度の113,1億円、21年度の145,0億円と大幅に増やし、全国の大学で4位の利益をあげています(東海大学教職員組合HPにある「ストライキビラ」参照)。

 東海大学という大きな学校法人が、非正規教員を「使い捨て」にすることは、業界全体に悪影響を及ぼします。今回の労働審判を通じて、教育業界のあり方を変えていきたいと考えています。

◆非正規教員無料相談ホットライン


 年度末での雇い止めの多発に対応し、非正規教員向けの労働相談ホットラインを開催します。ぜひ、東海大浦安同様の問題を抱えている方は、ご連絡ください。

一緒に教育業界を変えていきましょう!

12月25日(日)17:00~21:00 
12月27日(火)17:00~21:00

電話番号 0120-333-774(通話無料) ※相談無料・電話無料・秘密厳守

◆私学教員の皆さん、一緒に今の環境変えませんか?

 職場での労働問題を変えたいという方は以下の私たちの相談窓口まで電話・メールにてご相談ください。無料対応・秘密厳守で対応しています。一緒に違法・不当な状況に対して声を上げてみませんか?是正が可能です。

 また、私たちは一緒に今の労働・貧困問題を変えるための取り組みに参加したいというボランティアの仲間を募集しています。ボランティアを希望される方は、以下のメールまでご連絡ください。

電話番号:03-6804-7650

(平日17~21時/日祝13~17時 水曜・土曜休み)

メール:info@sougou-u.jp

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