【#科学技術学園】ダブルスタンダードばかりの第2回団体交渉から見えてきた問題
私達「私学教員ユニオン」(総合サポートユニオン私学教員支部)は学校法人科学技術学園との第2回団体交渉を行いましたので、ご報告したいと思います。
組合員が抱える問題の概要や、第1回団体交渉の様子は以下のブログ記事をご覧ください。
・問題概要
https://note.com/embed/notes/n385cef4d4625
・第1回団体交渉
https://note.com/embed/notes/n4487c764b779
結論から言うと、第2回の団体交渉を行いましたが、またも校長が出席する事がなく、交渉に参加をした相手側も、とても誠実とは言えない対応でした。この2回の交渉で見えてきたのは、「人権意識の欠如」「法令遵守の欠如」「徹底した責任回避」「専門性に対する過小評価」「不合理な扱い」「残業代の未払い」といった教育界だけでなく、社会的に問題となっている
労働問題の縮図のような学校の姿でした。
◆人権意識のない分室長と発言に責任を持たない学校
組合員は新婚旅行に行くために代休制度を利用し、生徒に影響が出ないよう授業がない期間に休みました。しかし、後日、分室長から「校長がお前が新婚旅行に行くと言って休んだ事が気に食わない。腹が立つ。それが雇止め理由だ」と突然、雇い止めの通告をされました。
団体交渉での学校の回答としては
・「分室長が個人的配慮で行った発言であり、学校としてはそのような発言を行っていない」
・「失言ではあるが、賠償責任が生じるものではない」
・「有給休暇は労働者が自由に取る事は出来ない」
というものでした。
まず、第一に「自らの結婚式で休みを取った事を契約解除理由として挙げる事」を配慮であると思っている時点で、甚だしく人権意識に欠けています。しかも、学校側はその事に対して、「分室長が勝手に言った事」だとしています。その理屈は通用するのでしょうか。
生徒・保護者に一教員が学校の事について説明した時、生徒・保護者はその教員が説明している事は「学校全体の方針」として理解します。「一教員の意見」だなんて思いもしません。では、仕事上においても、一教員が自分の判断で勝手に学校の方針とは異なる事を説明していいのでしょうか。
もしも、私がそのような事をすれば、即刻責任を取らされるでしょう。しかし、明確な失言をした分室長は何一つ責任を取らされることなく、しかも学校側はかばっています。学校業務において行う一つ一つの発言は責任と配慮を持ってしなければならないのに、分室長はそれを無視して平気で上記のような発言を行いました。
さらに事実関係は分かりませんが、去年の12月には私に対して「挙式で休みを取った事を校長が怒っている」と伝えたが、労働交渉の場では「校長はそのような事は言っていない」と言ってきました。つまり、分室長は校長の発言まで偽造しているのです。
学校は「労働者は有給休暇を自由に取れない」との回答をしました。これは、明らかに労働法違反です。つまり、学校は労働法を無視し、労働者は学校に尽くすべきだと考えているのです。
明らかに、対等な関係ではなく、労働者を駒としてしか見てないからこのような発言が平気で出てくるのでしょう。以上の事だけで見ても、「人権意識の欠如」「法令遵守の欠如」「徹底した責任回避」が浮き彫りになっているのです。
◆同じことをしても差別して対応する学校
そして、交渉が進む中で、学校側(代理人弁護士)は「今回休暇を取ったことが学校法人としては問題があったとは考えていない」と回答しました。問題ないとすれば、なぜ私は「挙式で休んだ事は問題である」と言われなければならなかったのでしょう。
もしも、休む事が問題であれば、他の教員も同じように言われなければおかしいですし、その事で評価を下げられなければ筋が通りません。
また、私の契約解除理由として「生徒・保護者に対して間違った説明をした」と挙げてきました。いわゆる私の「失言」を理由として挙げてきましたが、それであれば大きな「失言」をした分室長にも何らかの処分が下らなければ、筋が通りません。
しかし、学校側は分室長の失言については、「現時点で正式な処分を検討していない」との回答でした。私はいわゆる学校側から「スケープゴート」にされたのです。おそらく、「こいつ合わないな。むかつくな」、だから、「契約を打ち切ってもいいし、さらに人権も侵害してもいい」と思われたのでしょう。しかし、私も労働者であると同時に一人の人間です。
法律によって判断されないといけないし、人権は尊重されなければいけません。そして、評価は客観的な基準で判断されなければなりません。しかし、学校側はそれらを平気で無視してきます。
◆教員の専門性の軽視
不合理な扱いは労働環境にもあります。教員によって多くの授業を抱えている教員もいます。また、担任業務と並行して多くの授業を行っている教員もいます。私自身は複数の教科で指導を行う事もありました。
しかしながら、給料はどの教員も一律です。学校側は「教員は常に研究と修養に務めなければならない」とのたまっていますが、それに応じた給料体制と評価になっているとはとても思えません。また、「教員の専門性を評価して給料を払っている」と述べましたが、具体的に聞くと、事務員と比較して、2万円だけが給料に上乗せされているだけです。それのどこが専門性を評価しているのでしょうか。また、非正規雇用という不安定な雇用形態も専門性を評価しているとは到底思えません。
◆残業代未払い
分室長は私が定時を超えて業務をしている事は認識していました。他の教員も同様です。学校側の説明では、「残業代を申請したら支払う」と主張してきましたが、その一方で「残業代を申請したら評価を下げる事もある」とも主張してきました。それでは、事実上、残業代を申請することは出来ず、定時を超えた業務はサービス残業にならざるを得ません。
実際に、外勤で定時を超えて業務をした教員の記録も残っています。しかし、そのような場合であっても残業申請はゼロです。タイムカードもこれまで導入してきませんでしたが、その理由は、残業代を支払いたくないからでしょう。また、1分単位で残業代が出るにも関わらず、「5分程度なら残業代が出ない」とも主張してきました。こちらとしては、自らが出した記録をもとに未払いの残業代を請求していくつもりです。
◆今後について
計2回の交渉を経て、とても誠実な対応とは思えませんでした。いわゆるいくら話し合っても埒が明かない状態です。今後は、さらなる社会発信等具体的な行動を検討していこうと思っています。皆様の協力よろしくお願い致します。
また、同様の労働問題は教育業界全体に広がっていると思います。ぜひ、私たちと一緒に権利行使をして、今の状況を変えていきましょう!
◆労働相談や共に活動するボランティアの募集
職場で労働問題を抱えている方は以下の私たちの相談窓口まで電話・メールにてご相談ください。無料対応・秘密厳守で対応しています。ユニオンの仲間と一緒に違法・不当な状況に対して声を上げてみませんか?改善事例はたくさんあります。
また、私たちは一緒に教員の労働環境や学校の教育環境を変えたいという教員や学生のボランティアを募集しています。労働相談、団体交渉、社会発信などの活動は、組合メンバーとボランティアが一緒になって進めています。ボランティアを希望される方は、以下のメールまでご連絡ください。
電話番号:03-6804-7650
(平日17~21時/日祝13~17時 水曜・土曜休み)
メール:info@sougou-u.jp
https://note.com/embed/notes/n4e2a13f03662
◆寄付のお願い
私たち運営費の大部分は寄付で成り立っていますが、費用の不足が私たち総合サポートユニオンの課題となっています。総合サポートユニオンの活動に賛同し、寄付をいただける方は、下記の振込先をご利用ください。ご協力をお願い致します。
[みずほ銀行での振り込み]
みずほ銀行 北沢支店
普通預金 3024622
口座名義 総合サポートユニオン
[ゆうちょ銀行での振り込み]
(a)郵便局で振込用紙を使って納入する場合
郵便振替口座:00150-8-765273 口座名義:総合サポートユニオン
(b)銀行などから振り込む場合
ゆうちょ銀行 預金種目:当座預金 店名:〇一九店(ゼロイチキユウ店) 口座番号 0765273
※通信欄または振込者氏名欄に寄付である旨を記載いただけますようお願いいたします