【聖望学園】非正規なのに過労死基準超えの長時間残業・周知されない変形労働時間制度〜第1回団体交渉の報告〜【※追記:解決済み】
【※2022年8月1日追記:本件については2022年7月6日付で合意により無事に解決しました。】
皆様こんにちは。私は埼玉県飯能市にある聖望学園中学校高等学校で、常勤講師(非正規雇用)として勤務している者です。現在、タイムカード上だけでも過労死基準である月80時間を超える長時間残業と、上司や先輩からのパワハラの被害にあい、心療内科からうつ状態と診断され休職しております。また、同時期に雇止めを言い渡されたため、私学教員ユニオンを通じて学園に以下の4つを要求することとしました。
(1)未払い賃金の請求
(2)雇止めの撤回と雇用継続
(3)コロナ禍における部活動の強要に関して、原因と再発防止策への回答、謝罪
(4)パワハラの原因と再発防止策への回答、謝罪
このうち、1月25日の第1回団体交渉では「未払い賃金の請求」に関して交渉しました。その結果をご報告いたします。争点はおおよそ以下の3つとなります。
(1)就業時間外の学校での業務における未払い賃金の請求
(2)休憩時間1時間のうち、未取得分の30分間分に対する未払い賃金の請求
(3)持ち帰り業務の未払い賃金の請求
(1) 就業時間外の学校での業務における未払い賃金の請求に関して
当学園は、昨今公立にも導入できるようになっている1年単位の変形労働時間制を導入した学校となります。公立よりも先にこの制度を導入した当学園では、そもそも変形労働時間制に関する詳細な説明及び周知が全くなされていませんでした。
当学園では正規雇用のみが加入できる労働組合と管理職によって変形労働カレンダーを作成していましたが、非正規雇用はその就業時間を把握できていませんでした。
校長は「校長就任時は労働組合(正規雇用のみ加入)に9割近く入っていた。今はどれくらい入っているのか分からない。周知は労働組合がやっていると思っていた。」と無責任な発言をした上で、副教頭に調べさせたところ、今年度の当学園の非正規率は50%を越えていました。このことからも変形労働時間制は全く周知されていなかったことが分かります。
これに関して学園側は反省し、ようやく今年1月に非正規雇用にも変形労働時間制の周知をはじめたようです。変形労働時間が適用されていなかったとして、私に未払い賃金があったことを認めました。
(2) 休憩時間1時間のうち、30分が未取得。これに対する未払い賃金の請求に関して
当学園は12:20~12:50、15:45~16:15の1時間休憩時間が設定されていますが、特に昼の30分には電話や生徒対応などがあり、とても休憩と呼べるものではなかったため、この30分を未払い賃金として要求しました。
これに対して学園側は、「強制はしていないが、対応せざるを得ないこと。できるだけ休み時間に仕事をしないで欲しいと思っている。電話は違う時間にずらして欲しい。生徒対応は緊急性が高いと仕方がない。(校長)」とよく分からないことを言い、仕事をせざるを得ない状況であったにも関わらず、仕事の時間と認めず未払い賃金も認めないようです。
(3) 持ち帰り業務の未払い賃金の請求に関して
私は2019年度に勤務を開始してから日本史を担当していましたが、今年度新しく世界史を担当することになりました。また、文化祭の運営にも携わるようになり、年度を通して空きコマや放課後は文化祭業務に取られ、生徒の引率などを終えて学校に帰ってくるのが18:30~19:30となり、自宅で教材研究・授業準備を毎日4時間ほど行う形となりました。
これに関して未払い賃金を請求したのですが、学園側は、「採用面接時に世界史を指導できるとあなたは言った。(弁護士)」、「コマ数を見ても空きコマでできたはず。(校長)」と反論してきました。確かに、私は採用面接時に世界史も指導可能と言いましたが、授業準備が完璧と言った覚えはありません。当学園ではiPadを使用した授業を行っており、そのiPadに対応した教材を作成するのに従来よりも時間がかかるというのも学園側は把握していないのでしょう。また、空きコマは他の進路指導部・募集広報部・学年の仕事などの校務が入っており、とても空きコマだけでは文化祭の業務を賄えませんでした。
(2)・(3)に関しては、次回以降の団体交渉でも主張していきたいと思っています。1年間の変形労働時間制とは教員の負担を減らすべく公立でも導入が図られていますが、当学園での実態は教員に全く周知されず、長時間労働の是認へと繋がっています。次回の2月8日の団体交渉の議題は、主に「雇止めの撤回」「パワハラの原因と謝罪、再発防止策への回答」についてです。応援宜しくお願いいたします。
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