京華商業高校は、先生の雇い止めをやめてください! 「生徒たちのためにも私たちは学校に残ります」
今月11日、京華商業高校(http://www.keika-c.ed.jp/)にて「有期専任」として教員を務める2名が私学教員ユニオンに加入し、雇い止め撤回を求め、団体交渉(話し合い)の申し入れを行いました。
◆「有期専任」=担任の先生・部活の顧問が一年契約って考えられますか?
組合に加入したAさん、Bさん(ともに30代男性)は、「有期専任」という非正規雇用で働いています。
「有期専任」は、専任(正規雇用)と同じく担任や部活といった業務を負わされていますが、契約期間は細切れの1年更新です。求人や入社時、入社後にも、「専任への登用を前提として働いてもらっている」となんども言われ続けてきましたが、今回、学校側は彼ら二人を突然雇い止めにしました。
二人は、納得できず、何度も雇い止めの理由を校長に問いましたが、校長は「総合的な判断だから」というだけで、具体的な理由を説明しませんでした。
先日の団体交渉の申し入れの際にも、雇い止めにあった二人は、「「来年もよろしくね」と声をかけてくれる生徒たちの気持ちを裏切れない」、「なぜこんな苦しい思いをしなければならないのか」と学校側に訴えましたが、理事長は「こんな突然の申し入れは受けられない」と話を聞かずに部屋を去って行き、校長は「弁護士へ確認をしないと雇い止めの理由は言えないが、これまで通り雇い止めはする」と再度雇い止めを強行してきました。
◆ 私たちは自分のために、そして生徒たちのために闘います
私たちは、いつも生徒たちに人に誠意をもって接するよう伝えています。人の話は聞くよう教えています。それは理事長先生も校長先生も同じです。同じ教育者として話だけは聞いていただけると信じていましたが、これが現実です。本当に残念です。
私たちは、この不当な雇い止めに闘って、自分たちの生活を守ると同時に、生徒たちに社会で生きる一人の大人として、立派に闘う姿をみせたいと思います。
正規雇用化の期待を持たせるだけ持たせて都合よく教員を使ってきたにもかかわらず、一方的に理由もなくその人の人生を壊す、そのような学園側の姿勢は、社会的に許されるものではありません。担任や部活顧問の急な変更は生徒や保護者へ多大な影響を及ぼすものです。学園側はそのような生徒・保護者への影響を考えているのでしょうか?
皆さんのご支援ご協力をよろしくお願いいたします。
◆京華商業高校への要求事項
京華商業高校では、不当な雇い止めだけではなく、長時間労働、不適切な労働時間管理、残業代不払いなどの問題も広がっており、私たちは他の教員の方含めた全校的な労働環境の改善を求めています。それが生徒にとっての教育の充実の前提だと考えているからです。
1、雇い止め理由の開示及び雇い止めの撤回
(1)速やかに、組合員への雇い止め理由を書面にて回答してください。
(2)速やかに、組合員への雇い止めを撤回してください。
2、長時間労働
(1)以下の授業外業務について、労働時間であるか否かをそれぞれ具体的に回答してください。以下の業務は、現在、所定労働時間外に行うことが当然となっている業務です。
①定時前業務(生徒からの資料提出の受け取り、生徒の呼び出し対応等)。
②授業準備、および授業準備に関わる教材研究。
③生徒対応(補習・受験指導・進路指導等)。
④保護者対応(電話・面談対応等)。
⑤業務に関わる会議・打ち合わせ等(行事等の検討会議等)。
⑥登校指導。
⑦入試事務(入試問題の作成や、採点、入試説明会への参加、学校周り等)。
⑧部活動指導(授業後及び休日等に、部活動で生徒を指導・監督)。
⑨昼休み業務(休憩時間を取らずに質問対応、呼び出し対応等)。
⑩定期テストの作成・採点及び成績処理。
⑪長期休暇中の講習と検定講習等。
(2)厚生労働省の過労死認定基準(月80時間残業)に近い長時間労働をしている教員がいるので、改善してください。
(3)労働時間の管理は、出勤簿にハンコを押すだけなので、客観的な労働時間の把握のために、速やかにタイムカードを導入してください。
3、休憩未取得
法定通り、休憩を1日1時間、自由時間として取得できる環境を整備してください。
4、有給休暇
(1)法定通り、有給休暇を自由取得できる環境を整備してください。
(2)有給取得に対する不利益取り扱いを行わないでください。
5、未払い賃金
過去2年間分遡って、休憩未取得分、早出・残業及び休日出勤分の未払い賃金を法律通り1分単位で支払うとともに、今後改善してください。
◆Aさん、Bさんのメッセージ
・Aさん
私は自分の目の前にいる生徒たちに常に全力で向き合ってきました。時に生徒たち、部活の部員たちと、とことん話す場面もありました。その内容は生徒の学習のこと、学校生活のこと、家庭のことと多岐に渡ります。
その様な姿勢を生徒も見てくれていたのか、「先生、来年度はこうしたい」、「卒業までに成し遂げたいから、先生も力貸して」と期待してくれる、嬉しい言葉をもらいます。
保護者の中にも、「先生、うちの子をどうか卒業まで宜しくお願いします」というように、信頼してもらえる言葉を聞いています。
その様な状況下で、突然校長から、「来年の採用はないと思ってくれ」と伝えられました。目の前が真っ白になり、一瞬何も考えられなくなりましたが、「私のどの様なところが、悪かったのでしょうか」という問いに明確な答えはありませんでした。
自身が子どもたちのために努力してきたつもりが、理由のない事実上の解雇通達でした。私は先に述べた様な生徒や保護者からの期待を裏切りたくはありません。「先生、言ってくれたのに・・・」と思わせたくありません。
その為に最後まで闘うことを約束します。生徒の未来のために、そして教育の未来のために・・・
・Bさん
高校生のときイジメられ辛かった私を救ってくれた先生を尊敬し、高校教員になりたいと決心しました。大学卒業後、私立の高校教員になりましたが、過去に3度も不当な雇い止めを経験致しました。その度に、最後のホームルームなどで生徒から「なんでもっと早く言ってくれなかったんですか?」と泣きながら花束を渡されましたが、私はその生徒らの顔を二度と忘れることは出来ません。
今回、「有期専任」として採用され、専任になる事が前提ということで、今度こそは正規の教員になれるという思いが強く、精一杯頑張らせて頂きました。
途中、ストレスで胃に穴があきながらも、専任にさせてもらえなかったらどうしようという気持ちから、休み時間に血を吐きながら頑張って仕事をしてきました。
部活の顧問も複数掛け持ちし、自分なりに頑張って指導に当たりました。初めて受け持つことが出来た担任指導も、生徒全員と毎日面談をし、四苦八苦しながら、おこがましいながらも生徒や保護者から信頼を得られてきたのではないかと自負しております。
真剣に向き合ってきた生徒たちと、こういった形でまた別れてしまうことにはどうしても納得がいきません。また、別の私立学校でも似たような現状があることにどうしても納得がいきません。私が生徒のために真剣に働ける場を提供して下さい。
◆同様の問題で悩んでいる方はいませんか?
私学業界では、長時間労働、残業代不払い等はもちろん、京華商業高校の二人に対するような、非正規労働者を低賃金・細切れ雇用で雇い、都合よく使い捨てる雇い方をしている学校が少なくありません。
正社員化というのを「エサ」に、不当な待遇に耐えている方はいませんか?ぜひ、一緒に待遇改善をしたり、正規雇用化・無期雇用化を勝ち取りましょう。教員の雇用の安定なくして、生徒へ良い教育ができるはずがありません。
無料労働相談を行なっていますので、お気軽にご相談ください。