【橘学苑】不当な懲戒処分手続きを進めるのをやめてください!

私学教員ユニオンへ、神奈川県横浜市にある橘学苑(https://www.tachibana.ac.jp/)で働く現職教員複数名が加入し、11月5日に労働環境改善を求めて団体交渉を申し入れました。

橘学苑は、これまで、非正規雇用の教員を大量に「使い捨て」ていた問題や、労働基準監督署から残業代不払いについて是正勧告(行政指導)を受けていた問題が明らかとなっており、「ブラック」な経営体質が有名です。

私立一貫校 横浜・橘学苑 6年で教員72人退職「非正規使い捨て」(東京新聞)

https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201904/CK2019041302000298.html

ブラック学校”にメス 橘学苑に労働基準監督署から「休日残業代」で是正勧告(週刊文春)

https://bunshun.jp/articles/-/12207

違法・不当な労働環境で教員が苦しんでいる状況では、生徒に全力で向き合うことは難しくなります。教員の労働環境の改善は、生徒のより良い教育環境の形成にも必ずつながります。

第一回の団体交渉は、12月9日(月)に決定しました。皆様、応援をどうぞよろしくお願いいたします。

◆ユニオンに加入した教員が求めていること

私たちが求めている主な要求事項は以下になります。ぜひ、多くの方に知っていただけたらと思います。

1.不当な懲戒処分検討の撤回
ユニオン組合員である教員2名に対する不当な懲戒処分が学内で検討されており、処分に向けた懲戒委員会も進んでいます。

学校側のいう懲戒理由は、学校の問題(教員の大量退職の問題)について学内で指摘した教員たちを、報復として懲戒処分に陥れようとしているだけです。それらは、到底納得できるものではありません。

速やかに嫌がらせとしての、懲戒処分の検討を撤回すべきであり、正しい指摘をした労働者への抑圧をやめてください。

2.大量退職の実態とその改善

今年の4月、本校の「職員の大量退職」についてはテレビ、新聞、雑誌等で大きく報道されました。

それを受けて、4月20日(土)に保護者への説明会が開催されましたが、そこで学苑法人側からの発表(当日、前に出て発表に当たったのは校長と副校長、法人事務長の3名。事実上の経営トップである副理事長、学苑長は説明会に姿を見せず、自室に籠っていた)は、「退職者数は「63名」で、100名を超えるなどということはない」「有期雇用(非正規雇用)の先生方は、皆契約満了で、円満に退職された」というものでしたが、実際にはそれを不服として労働審判に至ったケースや、その時点で裁判になっている例がありました。

また退職者数については、新聞やテレビ、週刊誌では、過去5年間の退職者数が100名以上(最も多い人数の報道では、120名)と報道されましたが、学苑法人側は当初、メディアの取材及び保護者説明会で「63名」と反論しました。

我々職員への説明では、全退職者数を、有期契約の常勤講師が63名。専任教諭が9名。派遣教員が30名(となると合計101名)と説明しました。

しかしながら、神奈川県の調査に対しては、「69名」と回答しました。その差7名の説明について、法人側は「数え間違えた」と回答。派遣や専任を入れた数字になっていない理由は、県の調査では「非正規雇用の教員」についてだけの調査だったから(?)と回答しています。

まず、このことをきちんと保護者の方へ説明すべきです。 非正規教員(常勤講師、非常勤講師、派遣講師など)を、期間の定めのある雇用で、頻繁に雇い止めにしたりすると、生徒や保護者との信頼関係の構築が難しく、学校全体の教育の質の劣化を招きます。

客観的なデータを元に議論し、非正規教員の使い捨てについて改善していきたいと思います。

3.未払い賃金について
部活指導等による休日出勤や時間外労働への賃金について、かなり杜撰な管理と、実際の労働時間とは異なる、少なめの労働時間を申告させていた件について、鶴見の労働基準監督署よりの是正勧告が入ったおかげで、昨年7月からの今年度にかけての賃金については、教員と担当者との突合せも終えて、きちんと支払っていただきました。

しかしながら、昨年7月以前の分につきましては、各教員とのつき合わせも行われず、明細も出されないまま、一方的に支払われました。その内容の見直しと再調査を求めています。

◆ユニオンに加入した教員の想い

本校では、労基署から是正勧告を受けた長時間労働、残業代不払いのほか、パワハラ、非正規教員の使い捨てなど、違法・不当な労働環境、放漫経営が蔓延しており、学校という教育現場とは思えない多数の問題を抱えています。

これまでにも多くの労働問題や労働環境について何度も意見や質問、要望を出し、交渉を求めてまいりました。しかし、何一つ改善はみられないばかりか、誠実に対応されたことは一度もありません。職場内で学苑が訴えられ裁判が起きるということが、ここ数年で複数回続いています。

多くの生徒や保護者、卒業生も異議を唱え、要望やビラ配りまで学内で自主的に行われましたが、学苑は聞く耳さえ持とうともしません。

学苑の経営、運営実態。生徒や保護者、卒業生にもたらした影響、信頼の失墜。ここまでの状況にしてしまった経営陣の責任は大変重いと感じます。

我々は職場である学校が生徒たちにとって行きたくなる学校、通う生徒が輝く学校、卒業生が誇れる学校として未来に繋いでいきたい、そのためにも職場環境の改善や抜本的な改革が必要です。

我々は健全な職場環境、教育環境の確保を断固として諦めず、遂行いたします。

 

コメントを残す