【橘学苑】生徒・保護者をないがしろにし「明確な基準はない」雇い止めを強行
橘学苑と昨年12月から団体交渉をスタートして、3月3日に第3回団体交渉を行いました。
今回も、学校の教員をモノのようにしか扱わない姿勢や、生徒・保護者をないがしろにしている考えが明らかになりました。
今年度末での雇い止めを通告されている非正規雇用で働く教員の雇い止めを絶対に撤回するために、私たちは諦めず戦っていきます。
◆第3回交渉事項
1.有期契約の教員に対する雇止めの撤回
2.組合員2名に対する懲戒処分の撤回
3.未払い賃金について
今回は1について集中交渉いたしました。雇止めを宣告されているD先生は今年度で3年目、初年度から担任をもち教科指導と生徒指導でも専任の先生以上に業務に尽くしながら部活動の指導に熱心に当たってこられた方で、生徒や保護者、同僚からも人望の厚い教員です。
◆交渉での学苑側回答(主に法人担当事務長の発言)
【問1】校長が15年間で5人、教員が6年間で100人以上辞めていく異常な状況をどのように捉えている
のか。現場に混乱が生じ、生徒にも悪影響が出ていることについての認識はどのようにお持ちなのか。
【回答】
「体調面が悪くてやめるのも、まずいんですか。」
「(大量退職について)解釈の問題じゃないですか。見方の問題でしょ。」
「(経営面・運営面は)機能していないのですか?ストップしていますか?」
【問2】
大量退職のことがYahooニュースのトップになり、新聞やテレビでも報道された。客観的・社会的
にみてもおかしいと思われていることを学校側はどう考えているのか。
【回答】
「おかしいと思われているのですか?今もうニュースに出てないですよね。」
【問3】
誠実に対応しない、伝わらないから4月の保護者説明会でも大変な事態にさせてしまったのでは
「一般の保護者はいっぱい、ガーガー言ってましたけど…」
【問4】
保護者説明会が紛糾した原因はどこにあるのか。
【回答】
「騒いでいる人たちでしょ。」
【問5】
合理的かつ効率的交渉になるよう、副理事長や学苑長の出席を求める
【回答】
「私たちだけで大丈夫。学苑長の出席には応じません。理由がなければいけないのですか。」
【問6】
次年度末での雇い止めを通達されたものもいる。法人担当事務長からの「人生設計を考えたほうがいい」という発言は不適切ではないか
【回答】
「僕だって甘い言葉をリップサービスしたいですよ。来年度雇い止めになりますよ、契約は終了になりますよ、(この発言は)いけないことなんですかね」
【問7】
これだけ学校に貢献してきて生徒・保護者からの信頼も厚い教員を雇止めにする合理的な理由が見当たらないが、明確な採用基準はあるのか。
【回答】
「何点以上で合格とか、そういうのは無いです。明確な規定があるか無いかで言ったら無いです。」
【問8】
明確な基準がないのであれば生徒や保護者の評価を重要視すべきでは
【回答】
「保護者はその方を一生養うことはしない。保護者にはそういう権限無いですよね。理事会はそういう決断をするんです。保護者は雇用主になれないでしょ。」
【問9】
学苑の言う、総合的な判断の中身は何か
【回答】
「総合的な判断です。今言ってることじゃダメなんですか。あれもこれも、全部挙げなきゃいけないのですか。」
【問10】
保護者が雇い止めしないよう求めたり生徒たちが訴えに来たりしたにもかかわらず、なぜD先生を雇止めにするのか。
【回答】
「矛盾はしません。契約終了ですよ。それで何か問題なんですか。」
【問11】
専任採用、契約更新を匂わされたD先生自身の証言について
【回答】
「立証していくしかない。(本人が)仰っているだけで、それが事実かどうか確認していかなくてはならない。そういう判断は、第三者がした方がいい。今、D先生が読み上げたことはD先生が言っただけです。」
【問12】
D先生が雇止めされる一方で、理事が連れてきた60代の人間がすぐに専任採用されるのはなぜか。昨年の9月から来て、ただ職員室に来て座っているだけで、夕方になったら1号館の小部屋に行って、時間になったら帰る。何をしているかわからず、多くの人がその存在に疑問を持っている。そのあおりを受けて、専任になれずにいるのではないか。そして、D先生を外して役職を与えるというシナリオがあるのではないか。それが理由で、D先生は雇止めされるのではないか。すべてが符合するが。
【回答】
返答なし。
【問13】
現在、新型コロナウイルス対策の問題で各学校も休校中であり、就職活動等も困難であるので、仮に暫定的でも構わないから、とりあえず雇用を継続できないか。
【回答】
「無理です。」(理事ではない法人担当事務長が即答)
【問14】
決定権のない法人担当事務長が即答できるのはおかしくないか。そこに闇が見える。本当は人事に関
わっているのではないか。
【回答】
「(慌てて発言を訂正し)検討します、検討します。すいませんでした、すいませんでした。」
◆資質を疑わざるを得ない法人担当事務長の発言
主に学苑側は理事ではない法人担当事務長が発言をしました。問題かつ不適切な発言を繰り返していました。これまでにも信じられない言動はたくさんありました。
例えば、4月の報道後、生徒たちがその気持ちを聞いてもらおうと副理事長室の前に行くと部屋の中から鍵をかけて、学苑が警察に生徒たちを通報するということがありました。後日、法人担当事務長が保護者の前で「私が呼びました」と発言をしました。保護者からは「生徒を犯罪者にするつもりか?」という悔しさや怒り、やるせなさが入り混じった発言がありました。
この日の交渉では「私は呼んいでません。呼んでいるところを見たんですか?」「その場を収めるためにそう言った」などと、不可解な発言がありました。これまでの言動からしても法人担当事務長のデタラメで無責任かつ真実味のない言葉一つひとつを信じることが我々は到底できません。このような人物が法人担当事務長として管理職を務める一方で、現場で生徒や保護者と向き合い、真摯に努めてきたD先生のような人材が雇止めにされていきます。生徒や保護者の意見は一顧だにされず、「総合的な判断」という不透明な理由によってその希望が断たれます。もはや正義が存在せず、自浄能力など無い組織と化しています。
◆不誠実な学苑側の姿勢
今回、事実上の経営トップである副理事長は体調不良を理由に欠席。再三出席を求めている学苑長も来ず、代理をたてるなどの手立てもなく、理事は法人事務局長のみという不誠実な対応を受けました。
◆問題の根底は理事たちによる学苑の私物化
「労働者を物のように見ている」これは法人担当事務長に投げた発言ですが、学苑の体質を一言で表しています。学苑の発展、合理的な経営判断は全くなく、学苑を私物化して私利私欲に走っているとしか考えられません。結論や魂胆ありきで学苑側は強引にシナリオ通り事を進めています。
生徒や保護者、そして教職員の将来さらには学苑の未来を担う自覚は皆無です。毎年毎年、犠牲となる人が出ています。今回も、学苑側は適当に時間を稼ぐことしか頭になく、不誠実かつ到底受け入れられない発言の数々でした。
◆今回の獲得事項
学苑側弁護士からはこのD先生に関する要望について理事会に報告し検討してもらうよう
持ち帰るという返答が得ました。
◆次回の団体交渉に向けて
次回は3月19日(木)18時から鶴見駅周辺の会議室で行います。
交渉事項は継続してまいります。タイムリミットが迫っている雇い止め撤回についてを最優先して交渉していきます。