【橘学苑】「非正規雇用教員は学校や正規雇用教員の雇用を守るためのバッファーである」と発言

1月14日、第2回団体交渉が行われました。その成果と課題について報告いたします。この間、私学教員ユニオン橘学苑支部は、すでに学内に結成されていた「橘学苑中学校・高等学校労働組合」と連携して、学校全体の改善に取り組んでいます。

これまでの経過は以下です。

【橘学苑】職員会議での、不当労働行為の謝罪・訂正と是正勧告の説明を約束しました。

【成果】

1.交渉内容の合体に成功
団体交渉では第1回から私学ユニオンと橘学苑中学校・高等学校労働組合との連名で行っております。私学ユニオン加盟後は交渉が拒否されることはなく交渉内容の議事は進行するようになりました。これまでに橘学苑中学校・高等学校労働組合が単独で出していた交渉要求事項を今後は私学ユニオンからの要求書に盛り込み、団体交渉事項とすることに成功しました。

以下、①・②とあるのが相手側の回答

2.学苑法人側による不当労働行為について
①36協定の締結における職場代表者の民主的ではない選出方法について鶴見労基署から指導票が出されている。学苑法人側は状況を把握しているにもかかわらず指導票についての正確な報告を教職員に行ってこなかった。次年度の代表選出の際に指導票を配布して内容を開示し、その選出の目的等に関して明確にしたうえで、民主的な選出となるよう努めると約束。
②11月11日の職員会議において、私学ユニオンのブログを投影して見せた行為は、不当労働行為に近い行為であったことは認めました。

3.私学ユニオンと連携している橘学苑中学校・高等学校労働組合員である有期契約の教員に対する雇止めの理由開示とその撤回について
①雇い止め理由を1週間以内に書面で出すことを約束。

4.大量退職の現状について
学苑側からの発表では退職者の数が当初「63名」とされたが、その後の調査で県へは最終的に「69名」と報告。学苑ホームページや保護者向け配布プリント、メディアにも63名で出しており、この数字が変更された理由や訂正を公式に保護者に説明すべきである。
①いずれ総括的な報告書を作成する。それを公開するタイミングでその数字の変更についても発表するかどうかを検討すると約束。

5.未払い賃金について
2017年の7月から2018年の3月までの残業・休日出勤賃金について、一部未払いになっている賃金があることについて。
①その間、特に2017年の7月から12月までの残業代・休日出勤手当を確認するために、出張伺い書だけではなく2017年度当時に使用されていた厚紙の「休日手当の申請書」、当時の長期休暇中の「職員動静票」を探してもらうことを約束してもらいました。

【課題点】・・・継続となる交渉事項

1.私学ユニオンと連携している橘学苑中学校・高等学校労働組合員である有期契約の教員に対する雇止めの理由開示とその撤回
①理由は単純に期間の終了である。
②そもそも契約書には「1年ごとの更新である」、「次年度以降の契約はしない」と明記してあるので、その契約書にサインをして勤務していたのであるから、それは自己責任である。
③当該の教諭への雇い止めの撤回を拒否。
④資料提出で求めた、来年度以降の「教科の教員の必要コマ数の概算(予想)と、それに必要な教員数などの採用計画がわかるものの提出は拒否。出す義務が無いと回答。

2.非正規教員の大量退職について
①派遣労働者は、契約先が派遣元なので関係がない(派遣切り)。退職者数にカウントしていない。
②それゆえ、メディアや保護者への説明でもその数を入れていない。
③県への報告も「有期契約の教員」としか言われていないので派遣の教員の人数を入れていない。
④このような非正規雇用の労働者がいることは企業の利益を守るため、また、正規雇用の労働者の収入を守るための調整弁、バッファーとして当たり前である。

3.学苑法人側による不当労働行為について
(1)11月11日の職員会議で私学ユニオンのブログを投影して、全職員に見せた後、学苑の生徒募集状況や財務状況の話をした件について
①11月11日の件は、不当労働行為と認めることは拒否。それに近いこととしては認識している。

(2)意見集約について
②こちらは「不当労働行為ではない」と回答し、謝罪を拒否。
③書面には「・・・SNSについてなど」の“など”と書いているので、何もユニオンのブログやその活動についてのことに限定した意見の集約ではない。
④教職員に意見書の提出を求めた理由はあの会議の場では多くの方々の意見を聞くことができなかったからである。
⑤あれは今後の学校運営のための参考として活用する。
⑥本件の当事者である学苑長が今後継続して団体交渉に出席するよう求めたことに対しては「検討する」とのみ回答。

【総括として】

「不当労働行為について理解できていない」
今回のやり取りで改めてはっきりしたことは、全体的に学苑法人(理事)の方々には、不当労働行為についての認識が薄いまま、日常の業務から、我々への指示、注意、処分を行っており、交渉の場における我々の指摘に対しても、また昨年4月以降の出来事についても全く罪悪感、責任感がないことです。それゆえ、「学苑に関する内部情報を外部にリークした人間が悪い」とか、「保護者会の場で内部事情を話した人間が悪い」といった発想になるのでしょう。

「有期雇用は企業に認められたバッファーである」
今回最も残念だったのは理事及び学苑側の顧問弁護士から「有期雇用の社員を雇うことは企業や正社員の雇用を守るために法的に認められていることで、いわばそのためのバッファーである」や「単純に契約期間が終了したから雇用を終了するだけである」等の発言が出たことです。いわば「非正規で人を雇うことの何が悪い?」「期限が来たから雇用を切って何が悪い?」という発想です。相手は社会人でその先生自身の、そしてその先生のご家族の生活と、これからの人生があることに対して全く配慮がありません。自分たち以外の人間がどうなろうと平気なのでしょう。

私たちがこの先生のために戦おうとしている理由は何よりこの先生が教科指導でも生徒指導でも、そして部活動指導でも大いに活躍し、生徒たちから大いに信頼を得ているからです。生徒や保護者は見ていますし、心ある職員も見ています。

団体交渉が終わった直後、この先生に対して雇用終了を伝える文書が自宅に届いたとのことです。その文書の中に、雇用終了の理由として「2020年のカリキュラム人事編成に加えることができないため」と書かれていました。しかし我々はさんざん見てきました。期限がきたから雇用を打ち切られ、その先生の分の授業を穴埋めするために次年度にまた新しい教員が同様の有期契約で雇われてきたことを。つまり、その先生が雇用を切られる必要など全くありませんでした。また、我々が納得できないこととして、生徒思いで熱心な先生ほど、雇用契約を終了されてきたことがあります。それを今回の団体交渉でも法人側は「それはあなた方の評価であって、別な評価もある」と言ったのみで、その基準については不明確なままです。その開示も求めましたが、これも拒否しました。本当に計画性なく、ただ従来から雇用されている専任職員の雇用と、学苑の目先の存続のみを考えているとしか思えません。その犠牲を有期契約の先生方が払わされています。

これをお読みいただいた皆様はお気づきのことと思いますが、このような経営陣の行いこそが、4月に報道された「非正規教員の大量退職」「非正規教員の使い捨て」の根幹にある要因なのです。この事実に対して、法人(理事)は全く反省していません。

【今、私学に通う価値とは】

現在、多くの私学で非正規教員の使い捨てや慢性的な長時間労働、賃金の未払いなど同様の問題が発生しています。
新自由主義・経済のグローバル化の中で社会全体がかつての安定を崩され、企業だけでなく私学もその市場原理で経営されるようになりました。また、さらには少子化もこのことに追い討ちをかけています。同じ職場で働く教職員に、身分的・経済的な階層と心の断層ができてしまっています。

本校では、以前から存在していた労働組合がこのような非正規雇用の教員のために戦うどころか、自分たち専任教職員の雇用を守るために経営陣と結託し、このような人の使い捨て状況を後押しする始末です。それでも多くの非正規の先生方は日々、生徒たちを前にして必死にその感情を押し殺しながら、誰にも守ってもらえない状況の中で専任の教員と変わらない業務を行っています。

【次回の団体交渉に向けて】

次回の団体交渉の日時は未定ですが、今後も引き続き交渉を継続していくこととして、
1.当該の非正規雇用の教員の雇止め撤回
2.学苑法人側による不当労働行為についての追求
3.未払い賃金についての確認
以上の3点については特に注力して臨んでいきます。また、それ以外の交渉継続事項についても、鋭意追及してまいります。

今回、遠路駆けつけてくださいました組合員の皆様には心より感謝申し上げます。私たちも共闘意識をもち、可能な限り支援に伺わせていただきます。今後とも何卒よろしくお願い申しあげます。

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