京華商業高校の不誠実な第一回団体交渉②「タイムカードは万能ではないので導入しない??」

私たち私学ユニオンへ、東京都文京区にある京華商業高校http://www.keika-c.ed.jp/)の非正規教員2名が加入をし、不当な雇い止め、長時間労働、休憩未取得、残業代不払いなどの問題について団体交渉をしています。

初回の団体交渉では学園側は様々な不誠実な対応・回答をしてきましたので、複数回に分けてご紹介したいと思います。また、もし可能であれば、学園側へ誠実な対応をするように連絡を入れていただけましたら幸いです。ご協力をお願いいたします。

今回は、長時間労働、休憩未取得、残業代不払いに対する不誠実な回答についてご紹介します。

【連絡先】

〒112-8612 東京都文京区白山5-6-6
TEL 03-3941-0056(代表)
FAX 03-3941-0740

 

長時間労働・休憩未取得、残業代不払いの実情

組合に加入している教員は、授業以外に以下のような幅広い業務を行なっており、長時間労働をしています。

休憩時間も法律上は45分〜60分確保されなければならないですが、それも十分に取れていません。

  • 定時前業務(生徒からの資料提出の受け取り、生徒の呼び出し対応等)。
  • 授業準備、および授業準備に関わる教材研究。
  • 生徒対応(補習・受験指導・進路指導等)。
  • 保護者対応(電話・面談対応等)。
  • 業務に関わる会議・打ち合わせ等(行事等の検討会議等)。
  • 登校指導。
  • 入試事務(入試問題の作成や、採点、入試説明会への参加、学校周り等)。
  • 部活動指導(授業後及び休日等に、部活動で生徒を指導・監督)。
  • 昼休み業務(休憩時間を取らずに質問対応、呼び出し対応等)。
  • 定期テストの作成・採点及び成績処理。
  • 長期休暇中の講習と検定講習等。

 

「タイムカードは万能ではないので導入しない??」国の指針にも反する回答

長時間労働の問題を考える前提の問題として、そもそも京華商業高校では、労働時間の管理が客観的にできていません。朝、各教員が「出勤簿」に判子を押すだけです。出勤簿はあくまで定時の時間をいたことを証明するものなだけで、定時前出勤、残業などの時間外労働の記録を学校は残していないのです。また、団体交渉の中で、時間外労働の状況に関する確認を校長は過去1度も教員へしたことがなく、出勤簿以外に労働時間管理をしていなかったことも認めました。

近年、教員の過重労働・過労死が問題視され、文部科学省や厚生労働省は、タイムカードやICカードなどによる労働時間の客観的な把握を義務付けており、ガイドラインも出しています(「学校における働き方改革特別部会 勤務時間管理の現状と在り方について」http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/079/siryo/__icsFiles/afieldfile/2017/11/10/1398078_4.pdf)。私たちは、この国のガイドラインに沿って、教員の過重労働の抑制や健康管理のために、職場へのタイムカード等の導入による労働時間の客観的把握を求めました。ごくごく基本的な要求だと思います。

しかし、団体交渉で顧問弁護士や校長らは、「出勤簿で国のガイドラインや労働時間の把握義務は果たせている。むしろタイムカードは万能なものではない」などと反論してきました。それは、国のガイドラインや近年の教員の過重労働を問題視する時代の流れに真っ向から反する主張です。

国のガイドラインや教員の過労死が問題視される社会情勢と矛盾することを堂々と主張するのはどうなのでしょうか?過去の不備は不備としてすぐに認め、言い訳をせずに改善すれば良いだけではないでしょうか?教員の労働時間の抑制や健康管理などに関心はないのでしょうか?学校側の主張は到底納得できるものではありません。

私たちは、正則学園高校(http://www.seisokugakuen.ac.jp/)とも団体交渉をしていますが、正則学園高校は労働時間管理の不備をすぐに認め、初回の団体交渉でタイムカードの導入を決めました。現在は、職員室へタイムカードが導入され、労働時間を客観的に把握した上で、それに合わせて残業代も支払うという法律が守られる環境に変わりました。京華商業高校とは全く異なる対応です。

京華商業高校は、タイムカードを導入すると長時間労働や残業代不払いが発覚してしまう、証拠が残ってしまうのを恐れているだけではないのでしょうか?そうでないならば、それ以外の合理的理由を説明すべきではないでしょうか?

 

◆同様の問題を抱えているかはいませんか?

現在、私たちは、京華商業高校と労働環境改善に向けた交渉をしています。京華商業高校はもちろん、私学業界で働き、京華商業高校と同様の労働問題で悩んでいる方はいませんか?少しでも働いていて「おかしいな」と感じるところがありましたら、ご相談や情報提供をいただけましたら幸いです。

在職中に改善することはもちろん、在職中から証拠の集め方などを相談しておいて、退職の際や退職後に会社に対して請求することも可能です。ちょっとした疑問から相談をお受けしていますので、ご検討ください。

一緒により良い私学業界を作っていきましょう!

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