【京華商業高校】「非正規教員へ正規教員化の期待は全く持たせていない」という学校側の主張のおかしさ
京華商業高校は、有期専任教員(専任教員と同じ業務をしているのに1年更新の非正規雇用)の二人の組合員に対して、専任化(正規雇用)の期待を持たせておきながら、年度末での不当な雇い止めを通知してきました。
雇い止めをするには、法律上「合理的理由」(誰もがもっともと思う理由)が必要です。
しかし、学校側は専任の期待を全く持たせていなかったので、合理的理由もそもそも必要がないなどと主張しています。
「有期専任」の組合員二人は、専任化の期待を持っていたからこそ京華商業高校に入りました。組合員の1名は約8〜9年、合計3校の私立学校で非正規教員で働いており、安定した専任になれる学校を優先して探して求人に応募し面接を受けてきました。
皆さんは、二人の以下の実態を知って、二人が専任化の期待を持たなかったと考えますか?学園側の主張に疑問を感じませんでしょうか?
ぜひ、多くの生徒・保護者の方々、社会の皆さんに学園の主張のおかしさを知っていただきたいです。
◆最近まで出ていた「有期専任」の求人
最近まで学校のホームページに出ていた求人票はこちらです。
「2年目以降、専任教諭への登用を前提とする」と明確に書かれています。
普通の人は、「2年目以降、専任教諭へなることが前提となっている」と「解釈」しませんか?専任化の「期待」を持ちませんか?
◆校長の発言「それは本当にそういう(専任化を匂わす)意味合いで書いていると思います。」
組合員2名は校長との面談で以下のような校長の発言を録音しています。これは、有期専任の二人へ専任化を期待させる発言だとは思いませんか?
Q:採用の際の書類を見直しても、専任になることを前提とするという記載があるのですが、これは専任になれることを匂わせているということになりますよね?
A:はい。それは本当にそういう意味合いで書いていると思います。
Q:そうですよね。そのあと働き始めてから校長先生以外にも様々な先生からも「専任になれるよ」ということをたくさん聞いてきました。そのような事実を校長先生もお認めになりますか?
A:はい。色々と(専任化に向けた)相談も受けていましたから。
◆理事長の発言「有期専任は専任を期待している人たちです」
組合の申し入れの際には、理事長も以下のように有期専任という制度について発言をしています(録音もあります)。この発言からも、理事長の認識において有期専任は専任を期待される存在であったと考えられませんか?
「有期専任は専任を期待している人たちです」
「有期専任には、雇い止めを大前提としていないというのは明確に言っています」
「有期専任は常勤講師とは全く違い、常勤講師は最初から専任化の約束はしていません」(有期専任には専任化の可能性があるということを言っていたのでは?)
◆過去5年において1名しか雇い止めにあっていない
団体交渉において、学校に対して過去5年間で、有期専任で採用された教員がどれほど専任になったかを聞きました。
その結果は、1名だけが雇い止めにあっていましたが、それ以外は1名の自主退職者を除き、皆が専任化されているということでした。
学園側も、「割合としては多くが専任化されている」と認めていました。
これは、専任化の期待を本人に持たせる状況があったと言えませんか?
◆求人票、校長・理事長の発言、過去5年の実態等を踏まえても専任化の期待を全く持たせていないと言うのか?
以上で述べたような事実から、学校側の主張は不当だと私たちは考えています。専任化の期待を持たされていたのですから、法律に則って、「合理的理由」をしっかり説明すべきです。それが言えないならば、速やかに不当な雇い止めを撤回すべきです。
このように専任化の期待を持たせつつ、1年更新の不安定雇用で仕事だけ専任と同じようにやらせてきて、理由なしにクビにしていくのは、都合が良すぎませんか?
私たちは学校のこのような行為を絶対に許しません。