【N高】7/30に本社へ直接現場教員の声を届けました!

角川ドワンゴ学園N高等学校は我々の団体交渉を事実上拒否をしており、書面でのやり取りや話し合いにおいてもこちらを軽視しているとしか思えない対応をしています。

その為、7月30日に本社に直接申し入れ、そして本社前で宣伝行動を行いました。
その時の学校の対応についてお話します。

N高の労働問題については過去記事をご覧下さい。
https://news.yahoo.co.jp/articles/64aa570b9c6871b96f59b83df999430541b407e1

まず私たちは本社受付にて、申し入れをしたい旨をお話しました。
その後しばらくお待ちくださいと言われ、10分ほど待っても誰も訪れなかったので、再度受付でどれくらいかかるのかお話したものの、分からないと答えられ、そのまま放置されておりました。

そのとき学園理事である、川上量生氏が偶然目の前に訪れたので、申し入れをしたい旨をお伝えしたのですが、無視をされました。
我々が『会見で教員とコミュニケーションを取りたいと仰ってたと思うので応じて欲しい』と申し上げたのですが、『正式なルートでやれ』と言われ、我々の申し入れを拒否しました。

労働組合法において、決定権のある者が労働組合の申し入れを断るのは違法です。

その後も、受付に担当の人が現れることもなく、こちらが時間もないので受付に申し入れ書を置いていきたい旨を伝えたところ、無言になってしまいました。

7月30日もこれまでと変わらず以上のような不誠実な対応でした。

◆申し入れ書の内容

私たちが学校側へ渡した申入書の内容は以下になります。

私たちが学内で行ったアンケートも、現場教員の声として学校側へ渡しました。


1.団体交渉について
 繰り返しになりますが、使用者は労働者・組合に対して誠実に交渉に応じる義務があり、それを履行しないこと、話し合いにおいて解決策を模索しないことは不当労働行為に当たります。誠実に団体交渉に応じてください。

2.現場教員の声
 6月30日〜7月3日の間、非組合員に匿名でのアンケートを私たちは行いました。「担任数150人は適切だと思いますか」という項目には24人が回答し、83.3%が「適切ではない」と回答しています。その中で、適正でないと思う具体的な事例を現場の教員が回答しました。
我々の主張は組合員だけのものではありません。以下の現場の声について、学校側としてどのように受け止め改善していくのか回答してください。

【アンケートから見える現場教員の声】

①システム的に数字だけを追うことは出来るが、一人ひとりへのケアまではできない。必ずよく見られる生徒と全然見られない生徒の差が出て、不公平感が出る。

②普段から生徒と接する時間はほぼ無く、架電や面談に反応のない生徒はさらにメールやスラックでのあいかけが必須です。レポートの採点やスクーリング業務が重なる中では十分に生徒に目を向けることができないと感じています。

③150人の生徒対応を行うため、担任は日々残業を行なっているため。月の残業時間が0という教員が(ほとんど)いないことからも業務が定時内に終わるように設計されていないことは明らかだと思います。また、その働きに見合った給与も与えられていないと感じています。

④同じタイミングで複数人から質問を受けた場合に他業務と並行しながら各質問を調べるため返答に時間がかかる。調査書の記載が作業になってしまう。

⑤1人1人の生徒に対して適切な対応ができない。
中身よりも数をこなすだけの作業感が強い。
不登校児童が多いので1人1人にかかる時間が多くなるのは当たり前である。

⑥1人1人を見ることは不可能。工場作業員のような気持ちで仕事に取り組んでいる時期もあった。

⑦昨年、1on1等は予約してくれた生徒にしか実施できておらず、そもそもの予約枠自体が2ヶ月に46枠しか設置できなかった。(担任数150なのに。)

⑧目標としている面談数に予約枠自体が遠く及ばず、予約してくれていない生徒にはスラックなどで対応していたが、連絡できてない生徒もたくさんいた。
悔しくて仕方ない。。。

⑨・1人1人の生徒に向き合う時間が少ない。
・スクーリング等で連絡を返すのが遅くなった際にクレームにつながってしまった
→結果的に上の人間は担任が悪いと決めつけてきた。上の人間は何も守ってくれない。
・スクーリングと担任業務の両立は厳しく、一時期体調不良になってしまった

⑩一人一人の進路ややっていることを定点観測しづらい。担任業務以外もあり、連絡をこなすことが精一杯で、じっくり話を聞きたくても、日程が詰まっていてすぐに話せなかったりする。生徒との約束も結局人数が多くて追いきれないので、一回一回のやり取りが点になっているイメージ。予定がびっしり詰まっているので融通が効かない。

⑪スクーリング期間に行える月の担任業務の日数は7日間程度しかないため
担任数の是正を求めているが、管理職からは「担任以外の職員によるサポートにより負担を軽減できる」と回答されている。しかし、担任以外の職員にサポートを求める行為自体に負担を感じる。該当生徒が抱えている課題、特性、家庭環境など様々な情報を伝える必要がある。私は現在155人の生徒を受け持っているが、ITツールをフルに活用したところで、全生徒の状況を把握しきれていないのが現状だ。何より、生徒の名前と顔が一致していないのが苦痛である。もっと一人ひとりに寄り添える学校に変わっていく必要があると考える。

⑫担任数とそれに対する業務内容が適切ではない。進路や生徒に向き合う時間がかなり少ない。→その結果、保護者の方からのクレームにつながる。

⑬全員に対し平等な教育ができないから。
通信制といえど150人もいると、自発的に連絡してきてくれる子や、レポート進捗が悪い子、スクーリングに不参加な子など、目立つ子たちにしか、連絡を取らなくなる。
自分で計画を立て、レポートを進め、問題もなくスクーリングに参加できる子などは、担任側から連絡は取るように意識はするが、後に回してしまう傾向がある。(レポート進捗が悪い、スクーリング不参加の子達は連絡をとらないと進級・卒業できないため、必然的に優先順位が高い。
せっかくN高に入り、手厚いサポートが受けられると入学していただいたのに、これだと評判が落ちるだけだと思う。

※組合員は回答していません

◆学校には誠実な対応を求めます

当然ながら私達も可能であれば、わざわざ本社に行ってまで申し入れをしたくはないのですが、学校が団体交渉に応じていただけないので、今後入られる先生方、N高を信じて入学してくれた生徒達のために断腸の思いで決断致しました。
にも関わらず、私たちの切実な思いを、全く聞き入れない学校の対応は一貫としており、非常に残念でした。

N高のこう言った対応を様々な方に知っていただき、学校を変えていきたいと強く思っています。
こう言った活動が、他の私立学校や公立学校の教員の働き方改革にも繋がると思っております。

今後も諦めることなく、学校へ訴え続けていこうと思っております。